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「…早坂さん?
わっ、すごい偶然!」
フラフラ歩く俺に…
突然声掛けて来た、バイトの染谷さん。
途端、面倒くさい気持ちになる。
「あぁ、…あれ?今日仕事は?」
「休みですよ?
だからココにいるんじゃないですかぁ!
早坂さんだって休みなんでしょ?」
「まぁ。…そっか」
ふと、周りの視線を集めてる事に気付いて…
すぐにその理由が判明する。
「なんか意外に天然なんですねっ」
そう爽やかに笑う染谷さんは、かなり美人で…
道行く人の視線を、片っ端からさらってく。
「…そうかな。まぁ何でもいいけど…
じゃあ、お疲れ」
「ああっ!待って早坂さんっ…
この前オープンした、そこのイタリアン!
もう行きました!?」
指差された場所には、有名シェフの話題店。
「…まだだけど」
「良かった!
じゃなくて、良かったら一緒に行きません!?
なんか、味も接客も評判よくて、勉強したいなって思ってたんですけど…
なかなか1人じゃ入りずらくて…」
確かに1人じゃ入りにくい雰囲気だ。
だから俺も、気になってたけど行けてない。
でも…