恋愛図書館
「…友達と行ったら?」


「地元、こっちじゃないし…
大学の友達誘うには、ちょっと高めでしょ?」


「え、大学生?」


「え、今さらですかっ!?
ひどーい!どんだけ興味ないんですかぁ!
今、S大3年です!」


いや興味無いのはもちろん、聞いてねぇよ…


「なので、よろしくお願いします!」


そう熱願されても、面倒くさい。
だけど面倒くさくて…

気付けば、寂しさが紛れてる。



「…

いいよ。奢らないけど」


「当然です!
てゆうか、ありがとうございますっ!」


まぁ俺も勉強したかったし、一石二鳥か。




高級ホテルに就職希望の彼女は、発言通り勉強熱心で…

イタリアンで働く同士、意外と話も盛り上がった。



結歌以外の女と食事なんて、久しぶりだな…








それから染谷さんとは、店でもよく話すようになった。


休みを合わせてるのか。
毎週被る休日は、他店への勉強に誘われ続け…

一石二鳥の俺は、毎回それに付き合った。
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