恋愛図書館

女なんか憎んで見下して来たし、
結歌との別れはそれを追い打ちしたのに…

今は、どうでもよくなってた。



ただ心に大きな穴が空いて…

そこを虚無感や寂しさが埋め尽くしてて。



親父が死んだ時もそうだったけど…

その時は女への憎しみや罪科で紛らわせてた。


だけど今回は…



結歌を憎めない。




憎んでた筈なのに…
許せないと思ってたのに!

挙句、これで良かったと思ってたのに…


忘れられない。




巧には、これ以上心配かけたくないし…

唯一の救いは、料理への興味。


その延長線上にいる染谷さんの誘いも、今は有難い。






だけど、どんなに紛らわしても…

寂しさが、日に日に強くなるのは何故だろう。





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