恋愛図書館
12月



どんなに忘れようとしても…

気付くと、結歌を思い返すようになってた。



その思い出は鮮やか過ぎて…

キミを失っても景色は歪まず、モノクロにも戻らなかった。



だけど…

キミの居ない時間は、モノクロみたいに味気ない。


12月の街は、こんなに騒がしくて煌めいてるのに…










クリスマスなんて、どうでもよかった。


ずっと、生活するのに必死で…

子供の頃、周りの奴らがサンタとかプレゼントとかの話題ではしゃいでても、自分には関係ないと思ってた。

それに、給食のケーキで十分だった。



そんな小3のクリスマス…

その年から、手伝いじゃなくて本格的に家事を始めてた俺は、手荒れが酷くて。

「いつもありがとなぁ!」って、親父が手袋をプレゼントしてくれた。


その頃残業が多かったから、無理して買ってくれたんだと思って…
俺は嬉しくて、思わず泣いてしまった。

それが、親父の事まで喜ばせたようで…
翌年からもプレゼントは続いた。
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