恋愛図書館
「これ、エメラルド…?
私の誕生石だよっ!?」


「知ってるよ?
…今、付けてくれる?」

そう聞いて。

頷いたキミの手元から、ケースに納まってるネックレスを取り出した。


「キレイなデザイン…!
このジュエリーブランド、最近人気だよねっ?」


「うん。因みにこれ、流れ星をイメージしてるらしいよ?」


「うわ!それ、すごくイイっ!!
ありがとうっ、道哉っ!」

付け終わったネックレスに触れて、はしゃぐようにクシャクシャ笑う。


「ん、俺が側に居ない時でもさ…
抱きしめてる代わりだから。

今日明日も、頑張って乗り切ろうな」


自分でも少し、クサいなって恥ずかしくなったけど…

表情を落としたキミの、瞳が揺らぐ。



「…っ、クッサ!相変わらずキザなんだから!

でもっ…
すごく嬉しい…!
ありがとうっ…、大事にするね?」

今度は幸せを噛み締めるように微笑んだキミを…
再びぎゅっとする。


「うん…
俺もありがとう。

愛してるよ、結歌…」



親父の気持ちが、今は良く解る。







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