恋愛図書館
キミはどんな気持ちで、この本を贈ったんだろうか…


メッセージは小さな本の見返しを埋め尽くしてて、この本について語る余白を残してない。

更にその頃は忙しくて、話題に上る事もなかった。


真意を探るように何度も読み解いてみたけど…

解る事なく。


ただ感じた事は…
サンタは一種の、愛の擬人化なんだ。

見えなくても、愛があるなら存在してる。


そして愛はきっと、見失っても無くならない。



なんだか、勇気が湧いて来た。


キミを失っても、
その愛は存在してるんじゃないかって。




どうしよう、会いたい!



恋しくて、恋しくて…

その感情を認めたら、余計抑え切れなくなって来た。



そうか。

景色が歪んでないのも、モノクロに戻ってないのも…


まだどうしょうもないくらい愛してるからだ!




もう居ても立ってもいられなくなって…

携帯を手に取り、消せなかったキミの番号を画面に映した。
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