恋愛図書館
1月
1年後の1月。
「しっかし、混んでるなァ…
つーか寒っ!
早く帰って、お前のオセチつまみてぇわ」
「だったら初詣とか誘うなよ。
どうせ本営の子達と行きまくるだろ?」
本営とは、本命の彼女と信じ込ませた営業。
最近はずっとNo.1をキープしてる巧は、プライベートも忙しい。
「それだよ!
今年は外せないのが多くてスケ管理が大変なんだわ…
ま、でも!お前と初詣行かなきゃ1年が始まんねんだよ」
巧とは、毎年必ず初詣に行ってた。
結歌や友美と付き合ってた時も、日にちをずらして例外なく。
親父が死んでから始まった事で…
巧なりに、家族のつもりで誘ってくれてんだと思う。
「1年が始まらない、か…」
フッと笑って、1月の本を思い浮かべた。