恋愛図書館
「すごいねユイカちゃん、勉強になるよ。
ただ仕事となると、楽しんでばかりじゃいられないけどね」


「ん〜…でも、人生の3分の1は仕事なんだし、楽しまなきゃ損じゃない?」


「そうだね。
まぁ、言うほど簡単じゃないとは思うけど…
ユイカちゃんは楽しんでるんだ?仕事」


「うん!楽しいよっ?仕事も他の事も何でも!
私ね、楽しさを見つけるプロになりたいの!」

そうキミは笑った。


その笑顔は輪をかけてキュートで、
鮮やかなほど明るくて…

視界が眩しく感じた。




きっと、愛されて天真爛漫に育ったんだろう…

俺とは違う。


途端、関わりたくないと思ったのに…

既にその眩しさに惹かれてた。



「じゃあ、プロ見習いのユイカちゃん。
楽しくなれるコツ、教えてくれる?」


「いーよ!
ほんとは受講料取るんだけど、特別に初回無料ねっ?」

なんてふざけてまた、楽しそうに笑う。


「まだ見習いだろ?金取るんだ!
詐欺っぽいトコは目ぇつぶるから、ずっと無料にしてくれる?」


「んん〜…
その代わりSNSで、結歌講座の宣伝してね!」

わざとらしくニヤニヤと悩んで、また笑顔。
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