御曹司と溺甘ルームシェア
「……ののちゃん、おはよう」

咄嗟に笑顔を作ってののちゃんに挨拶すると、岡田も苦笑しながら後からやって来て私に挨拶した。

「おはよう、寧々ちゃん。ののが朝からごめんね。こら、のの。急に走ったら転ぶし、寧々ちゃんだってビックリするよ」

岡田が寧々ちゃんをたしなめると、彼女はプウッと頬っぺたを膨らませた。

「だって、寧々ちゃんに会えて嬉しかったんだもん。寧々ちゃんも、嬉しい?」

「う、うん。嬉しいよ」

ののちゃんの勢いにつられてそう答えると、彼女は破顔した。

「ののちゃん、おはよう」

背後から冷泉がやって来てののちゃんに優しく微笑む。そんな似非紳士に、彼女は元気よく挨拶を返した。

「響人君もおはよう!」

ののちゃんの明るいキラキラスマイル。

か……可愛い。何なのこの可愛い生き物。

ののちゃんの可愛さにきゅんとなっていると、彼女が私の手を掴んで歩き出した。
< 101 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop