御曹司と溺甘ルームシェア
郵便ってそんなに早く届く?無理じゃないの?

「無理よ。そんな大事なもの、あんたが直接行って届けなさいよ!」

勝手に自分で判断して上から目線で答える。

『え……?』

私の回答に絶句する電話の相手。

「寧々さん。わからない時はまず聞いて下さい」

近くにいた高木さんはやんわり注意すると、私の手から受話器を奪った。

彼は私の代わりに電話の相手に謝罪し、割高になるけどバイク便なら届くと説明していた。

……バイク便なんてあるのか。

でも……仕方ないじゃない。知らないわよ、そんなの。

私に電話を取らせるのが間違いなのよ。

ブスッとした顔でいると、電話を終えた高木さんが私に指示を出した。

「寧々さん、今日は翔くんと一緒に午前の集配に行ってください」

「え?この金髪男と?」

眉をしかめながら隣にいる金髪男に目をやると、奴も私を見て顔を歪めた。
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