御曹司と溺甘ルームシェア
寧々の目を見ながら楽しげにそう告げると、彼女は目を細めて俺を見た。

「『妻を愛でれば』って……あんたが言うといやらしい」

「俺はいやらしい事なんて一言も言ってないけど。いやらしいのは寧々じゃないか?俺と抱き合う姿でも想像した?」

クスッと笑いながら言い返せば、図星だったのか寧々はボッと顔を赤くしながら俺から視線を逸らした。

「なあ、俺の存在忘れてじゃれつくのは止めてくんねえ?見ててこっちが恥ずいんだけど」

ずっと静観していた翔が割って入る。

「ああ、翔もいたんだな」

翔に目を向けると、こいつは寧々を指差した。

「その我が儘な女王さま、あんたの女なの?」

「ああ。近いうちに俺の嫁になるから宜しく」

「ふーん、あんたってもっと女の趣味良いかと思ったんだけど……」

「そこの金髪男、このヒールの靴で足踏まれたいの?」
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