御曹司と溺甘ルームシェア
これからどうする?

何で選りにも選って婚約者があいつなの?

岡田が婚約者なら良かったのに……。

岡田ならきっと私をそっとしておいてくれる。

でも、響人は……危険だ。

今朝ののちゃんに声をかけられなかったら、車内であいつに食べられていたかもしれない。

「……寧々さん、聞いてますか?寧々さん?」

高木さんに何度も名前を呼ばれて、ハッと我に返った。

「……すみません。ちょっと頭痛がして」

頭痛はもうなくなったのに、咄嗟に作り笑いをして取り繕う。

集配から戻って高木さんに業務の説明を受けても、気づけば響人の事を考えてしまう。

このままあいつに弄ばれるわけにはいかない。

「もうお昼ですから、続きは午後にしましょう」

高木さんの言葉に、小さく頭を下げた。

「はい、すみません」

……全て響人が悪いんだ。
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