御曹司と溺甘ルームシェア
「他の子とは一緒に行かないの?」

ののちゃんに帽子を借りて頭に被ると、金髪男と明生君の方に目をやる。

「明生君はいつもお弁当だし、翔君はすぐに食べ終わってお勉強始めちゃうの。だから、のの、つまらないんだ。もっとたくさんおしゃべりして食べたいのに」

あの金髪男がお勉強?

一体何の勉強してるんだ?漫画でも読み漁ってるんじゃないの?

「翔君がお勉強してるの?」

「うん、大学に行くんだって。翔君、頭いいんだよ。漢字だっていっぱい知ってるし、英字新聞だって読めるんだよ」

ののちゃんがまるで自分の事のように金髪男の事を自慢する。

あの金髪男が英字新聞読む姿なんて想像出来ないけど……。

目標持って頑張ってるんだな。仕事だって真面目にしてるし。

「ほら、寧々ちゃん、行こう!」

ののちゃんに急かされてエレベーターに乗り、二十三階で降りる。
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