御曹司と溺甘ルームシェア
となると、岡田か響人だけど……響人に頼むと何かネチネチ言いそうだ。

「岡田、悪いんだけど、お金貸してくれない?更衣室にお金忘れてきちゃって」

岡田にそうお願いすると、岡田の返事を待たずに何故か響人が割って入ってきた。

「間抜けだな。寧々は何にするんだ?」

響人が目の前にあるメニューを指差す。

「あんたに頼んでないんだけど?」

眉をしかめてムスッとした顔で言えば、響人はニヤリと笑った。

「俺がいるのに岡田に頼る必要ないだろ?」

あんたに借りると面倒だからよ。

目でそう響人に訴えると、ののちゃんが私の作業着の袖を引っ張った。

「寧々ちゃん、じゃあ、ののが貸してあげる。この社員証があれば何でも食べられるんだよ。すごいでしょう?」

ののちゃんが胸に下げている社員証を得意気に見せる。
< 134 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop