御曹司と溺甘ルームシェア
「じゃじゃ馬にも困ったものだな。家に帰ったらじっくりお仕置きしてやるよ」

響人が黒い笑みを浮かべながらゆっくりと帽子を私に被せる。

……お仕置き?

また私を触って実験するの?

一歩後退り響人と距離を取ると、それを見たこいつは悪戯っぽい目で私を見た。

「また俺で妄想した?」

ニヤニヤ顔の響人。

「しないわよ!私……ぶりの照り焼き定食にするわ!」

動揺を隠すために話題を変えてメニューをピッと指差せば、響人はクスッと声を出して笑った。

「いいチョイスだな。俺も同じのにする」

初めての社食に戸惑う私に、トレーを差し出す響人。

こいつと同じ物を取ってトレーに乗せ、窓側の四人掛けのテーブルに座る。

ののちゃんが私の横で、響人が私の前。
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