御曹司と溺甘ルームシェア
ううっ……それは否定できない。

「……それはね、ののちゃん……。将来の事は、よくわからないなあ」

言葉を濁して回答を避けると、前にいる響人がののちゃんにいけしゃあしゃあと代わりに答えた。

「そうだよ。結婚式には招待するから可愛いドレス着てきてね」

「うん、のの楽しみ!寧々ちゃんのウェディングドレス姿早くみたいな」

ののちゃんは「うふふ」と可愛く笑いながら頷く。

「そうだね、俺も見たいよ」

響人が意味ありげな視線を私に投げる。

こいつ……ののちゃんの前で好き勝手言って!

この大嘘つき!

私のウェディングドレス姿なんか見たくないくせに。誰がお前なんかと結婚するか!

箸を持つ手が怒りでブルブルと震える。

それに気づいた岡田が、柔らかな笑みを浮かべながら言った。
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