御曹司と溺甘ルームシェア
「響人、嬉しいのはわかるけど、のろけるのもそのくらいにしておいたら?」

「悪い。つい楽しくなって」

「調子に乗ってると寧々ちゃんにフラれるよ」

「それは困るな。俺を楽しませてくれるのは寧々しかいないのに」

怒り心頭に発している私をおいて進められる会話。

誰がのろけてるのよ!いじめでしょうが!

声を大にして反論してやろうとハーッと大きく息を吸うと、私のトレーに響人が何かを置いた。

ん?何よ?

下を向いてその物体を見ればそれはデザートのプリンで……。

「寧々にやるよ。俺は甘いの苦手だから」

頬杖をつきながら、響人がニッと笑う。

こいつの懐柔策に出鼻をくじかれた私。

でも、プリンに罪はない。

「仕方ないわね。私が食べてあげるわよ」

上から目線でそう返して、スプーンでプリンを掬う。
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