御曹司と溺甘ルームシェア
「凄いね、寧々。肩にじんましん出てきた。相変わらずだな」

私に悪さしといてこの呑気なコメント。

面白そうに私を観察する冷泉に憤慨せずにはいられない。

こいつに触られた剥き出しの左肩に目を向ければ、じんましんが赤く広がっている。

そう、私は極度の男性アレルギー。

男性にちょっと触れられただけでもじんましんが出る。弟でも父親でも直接肌に触れられるとじんましんが出る特異体質。医者に診てもらったところ心因性のものらしいが、小さい頃からそうだった訳ではない。

じんましんが出るようになったのは、高校の時に冷泉に後ろから肩を叩かれた時だ。それはよく覚えている。でも、何故突然そうなったのか原因はわからない。

それまでは男子普通に接していたのに、私はそれ以後は絶対に男子に近寄らないようにしていた。

病院も女医のところを探して通ったし、美容師だって女の人に担当を代えた。
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