御曹司と溺甘ルームシェア
「映像がぼんやり浮かんできて……何かに襲われるみたいで怖い。でも……それが何なのか考えようとすると頭が痛くなって吐き気がする」

ティッシュを取って涙を拭うと、寧々は頭を抱えながら苦悶の表情を浮かべた。

「頭痛薬飲んでも効かない……。身体が重くなる……。病院に行っても心因性のものだって……。心療内科に通って精神安定剤を処方してもらっても薬に依存するだけで治らない。だから薬を飲むのは止めたけど……この様よ」

寧々の目の下にはうっすらと隈が出来ている。

明け方からの雨音で眠れなかったんだな。

「寧々……」

苦しむ寧々を見て、あのサマーキャンプの事件の真相を全て話してしまいたくなった。

だが、……今の寧々は受け止められるだろうか?

まだ早い。そんな気がする。
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