御曹司と溺甘ルームシェア
落ち着きを取り戻した寧々は、俺の胸に手をついて俺から離れた。

「寧々?」

俺が呼び掛けると、寧々は俺の視線を避けながら小さな声で呟いた。

「……大丈夫だから。……ありがと」

大丈夫じゃないだろうに。

俺には頼りたくないのか?

「……そうか」

そう言葉を返してソファーから立ち上がると、俺はキッチンに行きマグカップに牛乳とハチミツを入れてレンジで温めホットミルクを作った。

香り付けにコアントローを少し入れ、寧々のところへ運ぶ。

窓の外をボーッと眺めている寧々に俺はマグカップを差し出した。

「これ、飲めよ。温まるぞ」

寧々が驚いた様子で俺とマグカップを交互に見ると、黙ってマグカップを受け取った。
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