御曹司と溺甘ルームシェア
冷泉は鷹頼とよく会っているし、私のこの体質が治っていないことを知っているはずだ。

ああ、痒い。この疫病神め。

私は顔を歪めて痒みを必死に堪える。

「私で遊ばないでくれる!」

「困った体質だな。そんなんじゃあ男も出来ないだろう?」

「出来ないんじゃないわ。作らないだけよ」

私が声を荒げると、冷泉は人をバカにしたような目で私を見た。

「男がいない言い訳にするには便利だな。かわいそうに。当然、まだ男性経験もないんだろう?同情するよ」

みんながいる前ででなんて事言ってくれるの?

冷泉に図星を指されて私は口をあんぐりと開け酷く動揺した。

「響人!」

横にいた岡田が慌てて冷泉を止めようとするが、冷泉は構わず続けた。

「このままだと一生独身だね」
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