御曹司と溺甘ルームシェア
「おはようございます」

明生君は手を止めて私にキチンと挨拶する。

まだ始業時間でもないのに仕事するなんて……。

どんだけ仕事が好きなのこの子。

明生君は真面目で、仕事中に無駄話は一切しない。

こんな単調な仕事毎日するの飽きるだろうに……。

でも、彼はいつも集中して仕事をする。

感心して明生君の仕事を眺めていると、金髪男がやって来て私の前に手を差し出した。

「何よ？」

その手を見て首を傾げると、金髪男が不機嫌な声で言った。

「先週、金貸しただろ？」

「ああ。早速返せって？ホント、ケチくさい男ね。この取立屋」

皮肉を言って、ジーンズのポケットから今日響人にもらった千円札を取り出し近くの作業テーブルの上に置いた。

「はい、どうぞ。ああ、差額はテーブルの上に置いて」

テーブルの上に置かれた千円札を眺め、金髪男が眉根を寄せる。
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