御曹司と溺甘ルームシェア
「……なんかバイ菌扱いされてるみたいでムカツク」

「仕方ないでしょ。体質なんだから」

私は必死で怒りを抑えながら反論する。

周囲にいた男の反応なんてみんなこんなものだ。

最初は私の容姿を見て近づいてきた男も、不快な顔をして去っていく。

まあ、私には好都合だけど……。

なのに……何故響人は私に構うんだろう。

「響人さんも何を好き好んでこんなの選んだんだろうな。蓼食う虫も……て言うけど」

金髪男はわざとらしく首を傾げる。

「知るか!私が聞きたいわ」

私がキレると、金髪男は意外そうな目でまじまじと私を見た。

「そう言えばあんたって、響人さんに媚びないよな」

「媚びたところで私が得する事なんて何もないでしょう」

響人に優しくされたって逆に気持ち悪いだけだ。

何か裏があるんじゃないかと勘ぐってしまう。

「寧々ちゃん、おはよう!」

更衣室に行こうとすると、ののちゃんがやって来て私に抱きついてきた。
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