御曹司と溺甘ルームシェア
「ああ、悪いな」

「すみません。響人さん、成介さん。俺がついていながらこんなことになって……。前を歩いてた二人が男にナンパされて、それを我が儘女……寧々さんが無視したら、一人の男がののの腕を掴んで……寧々さんがののを守ろうとして……」

翔が悔しそうに唇を噛み締めながら深く頭を下げる。

「翔のせいじゃない。翔が成介に連絡したからまだこれで済んだんだ。翔が二人の後をつけてなかったら、もっと酷い事になっていた。翔、助かったよ」

俺が心から礼を言うと、翔はもう一度頭を下げた。

「響人さん……本当にすみません」

「警察の対応とののちゃん頼む。ののちゃん、かなりショックを受けてるし」

「……はい」

翔が小さく頷くと、サイレンの音が聞こえてきてパトカーと救急車が到着した。

「成介、後頼む」

「ああ。こっちは心配しなくていいから」
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