御曹司と溺甘ルームシェア
「寧々の下僕は卒業したんだ。これからは自由を謳歌するさ。それに、寧々みたいなじゃじゃ馬飼い慣らせるのってお前くらいしかいねえだろ?」

「確かに」

「元気出せよ。寧々はこのくらいでヘコタレねえって」

俺の肩をポンと叩くと、鷹頼は静かに部屋を出ていった。

寧々は強い。

でも、今日の事件がきっかけであのサマーキャンプの事件を思い出したらどうなる?

精神的ショックでしばらく立ち直れないんじゃないだろうか?

恐怖でますます男といるのが怖くなって……。

少しずつではあるが寧々も俺に慣れてきてると思ったのにまた振り出しに戻るのか?いや、もっと悪い状況かもしれない。

考えると不安が募る。

響人 、しっかりしろ。

今から心配したってどうにもならない。

全ては寧々次第。だったら、彼女がどうなっても側で支えてやればいい。時間に制限なんかないんだ。
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