御曹司と溺甘ルームシェア
すると、響人のお母さんも席を立ち、私のところへ駆け寄りギュッと私を抱き締めた。

「あの……響人のお母さん?」

彼女の行動に驚き戸惑っていると、彼女は私の目を見て真剣な眼差しで訂正した。

「違うわ。『お母さんよ』」

「……おかあさん?」

「それでいいのよ。あなたはもう私の娘よ」

響人のお母さんの優しい言葉が胸を打って、涙が頬をゆっくりとつたる。

この親子には一生勝てないと思った。
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