御曹司と溺甘ルームシェア
明生君凄い!金髪男より使えるじゃないの。

私は彼に称賛の眼差しを向けた。

「のの、お仕事ちゃんとするよ」

ののちゃんは涙を手で拭い、私に宣言して自分の仕事に戻る。

ああ……ちゃんと彼女なりに責任を持って仕事をしてるんだね。

それは……彼女のプライドと言っていいんじゃないだろうか。

ののちゃんは私なんかよりずっとしっかりしてる。それに私よりもずっと強い。

作業着に着替えると、私もののちゃんの横で郵便物の仕分け作業を始めた。

三十分ほど経っただろうか?

メール室のドアが開いてスーツ姿の二人の男性が入ってきた。

一瞬、響人と岡田かと思ったけど違った。

最初に入ってきた男性はこの会社の社長である響人のお父さんで、もう一人は三十代くらいの秘書らしき男性。

彼らが入ってきた瞬間、何か嫌な予感がした。

「野々宮寧々はいるか?」

低くて冷たい声がメール室に響くと、ピンと張り詰めた空気が漂った。
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