御曹司と溺甘ルームシェア
ののちゃんがやって来て私の手を握り、私の代わりに響人のお父さんに言い返す。

「ののちゃん……」

ののちゃんの優しさに私は心を打たれた。

「ここでは社長と呼びなさい!何度言ったらわかるんだ」

眉間シワを寄せ、響人のお父さんがののちゃんを怒鳴りつける。

「だいたい私は反対だったんだ。外で働かずずっと家で大人しくしてればいいものを。こんなところで働いて何が面白ろい?」

響人のお父さんが怖かったのだろう。

ののちゃんは私の腕にしがみつき、ガクガクと震え出した。

血は繋がっていないとはいえ伯父でしょう?何でののちゃんにそんな冷たい態度を取るわけ?

私ならいい。でも……ののちゃんに罵声を浴びせるなんて許せない。

これじゃあ、ののちゃんが萎縮するじゃない!
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