御曹司と溺甘ルームシェア
「ちょっと待ってください。ののは自分の仕事にちゃんと責任を持ってやってます」

震えるののちゃんを見て黙ってられなくなったのか、金髪男が割って入る。

だが、響人のお父さんは見下すように金髪男の言葉を笑い飛ばした。

「この程度の仕事で喜んでても何の意味もない」

その言葉を受けて金髪男が悔しそうにギュッと拳を握る。こいつの気持ちはよくわかる。
私だって同じ気持ちだから。

最初は私もこの仕事をバカにしていた。

でも、私はいつの間にかこのメール室の一員になっていたらしい。

バカにされて怒りが込み上げてくる。

「この程度の仕事？でも、メール室がなければ大事な書類だって自分のところには届かないんですよ！社長がそんなこと言ってどうするんですか？それに、ののちゃんはあなたの姪でしょう？私なら何を言われてもいいですけど、彼女をぞんざいに扱うのは止めて下さい！」

声を上げて反論すると、響人のお父さんは片眉を上げた。
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