御曹司と溺甘ルームシェア
こんな感情……どうしていいかわからない。

これが好きっていうことなのだろうか?

考えないようにしても響人の顔が浮かんできて……頭の中が響人で一杯になる。

恋ってもっとウキウキして楽しいものだと思ってた。

「恋って……怖い」

自分がおかしくなる。

ポツリと呟くと、近くを歩いていた金髪男が私の顔を見て声を潜めた。

「お前……大丈夫かよ。顔色悪いぞ」

「マスクしてるのに何がわかるのよ。私は元気よ」

「……社長が言ったことは気にすんなよ。響人さんはあんたを騙した訳じゃないと思う。好きじゃなかったら側におかない」

……金髪男に私が慰められるなんてね……。

そんなに気落ちして見えるんだろうか。

「……ありがと」

今度は素直にお礼を言って、笑顔を作る。

声が震えないようにするのに苦労した。

だって、気を抜けば涙が溢れて泣き出してしまっただろうから。
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