御曹司と溺甘ルームシェア
本物の婚約者はどちらか。偽者は……私かな。

いろいろ考えると、気持ちがどんどん沈んでいく。

ランチの時も食欲はなくて、マスクを外したくないっていうのもあったけど、食事はしなかった。

一人で家に帰る気分になれず、岡田に話をしたいって頼むと、彼はののちゃんを家で降ろして、都内の有名ホテルに車を走らせた。

今、私達がいるのはそのホテルの中にある高級フレンチレストラン。

海外の有名人もここの料理を絶賛するほど美味しく、私も何度も足を運んでいる。

でも、なぜ岡田はここに連れてきたのだろう。

ここって本命の彼女と来るような場所よ。岡田の家で話をしてもよかったのにな。

岡田が個室を取ってくれて、夜景を眺めながら料理が来るのを待つ。
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