御曹司と溺甘ルームシェア

「あ……あのね、岡田……勝手なこと言わないでよ。岡田じゃなきゃ殴ってるわよ！」

恥ずかしくて顔の熱が一気に上がる。

「寧々ちゃん、動揺しまくりだよ。だいたい僕と話したいって言うのは、響人が気になるからでしょ？」

うっ、岡田……鋭すぎるよ。

その穏やかな顔でバッサリ斬り込まないで欲しい。

「そ……それは……。真意を確かめたいっていうか……何というか……」

真っ赤になりながら不明瞭な言葉を吐く。

「響人も寧々ちゃんもさあ、お互い相思相愛のくせに不器用だよね。端から見てると面白くはあるけど」

フフッと笑みをこぼしながら語る岡田の目は楽しげだ。

「からかわないでよ」

「寧々ちゃんが知りたいのはズバリ響人のもう一人の婚約者の話だよね？」

それは質問というよりは確信。