御曹司と溺甘ルームシェア
岡田の目は私の心を読み取ろうとするように、私をじっと見つめる。

「ランチの時には言わなかったけど、伯父さんに響人には他に婚約者がいるとか言われたんでしょ?」

岡田の問いにコクリと頷く。

「佐々木コーポレーションの社長令嬢との縁談が進んでいたのは本当。でも、響人はどうしても寧々ちゃんが欲しくてね。伯父さんにその話は断ったんだ。でも、伯父さんは頑固だから、今日佐々木コーポレーションの社長令嬢を呼んで、響人が相手をさせられてるわけ」

え?

つまり……響人が今日捕まらないのはその女とずっと一緒にいるってこと?

そう考えると、心の中がモヤモヤする。

「僕がどうして寧々ちゃんをここに連れてきたと思う?隣の個室で響人達も食事してるからだよ」

「嘘……」

何で岡田の家で話をせず、わざわざここに来たんだろうって不思議に思ってはいた。
< 231 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop