御曹司と溺甘ルームシェア
さっき岡田が響人に手渡したのはカードキーだったのか……って納得してる場合じゃない!

二人でホテルに泊まるって……マズイよ、マズイよ。当然向こうは考えてるよね。一夜を共にって。

それ以外の目的でわざわざ泊まる?

同じ家に住んでるけど……ホテルは……なんというか逃げ場がない。

どうしよう。急に心臓がバクバクしてきた。

「あ~、疲れた」

私の腕を放し、スーツのジャケットを脱ぐと、響人は部屋を入って右手にあるリビングのソファにジャケットを掛けて慣れた仕草でネクタイを緩める。

「あんな可愛い子の相手して疲れるんだ?」

ジトッと響人を細目で見ながら嫌味を言うと、こいつは急に表情を変え意地悪な笑みを浮かべた。

「嫉妬してるんだ?」

「誰が嫉妬なんかするのよ!」

すかさず声を荒げて否定すると、響人はニヤッとして私を壁際に追い詰める。
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