御曹司と溺甘ルームシェア
「ひ……響人、近すぎ!」

「『悪いけど、こいつは私のだから!』って堂々と宣言したのは誰だっけ?俺のこと好きなんだろ?」

何よ、この尋問。

数センチ先には響人の目。まともに見れなくてそっぽを向く。

「そ……それは……言葉の綾よ。あんたが困ってるみたいだから助け出してあげたのよ」

必死の言い逃れも響人には通用するわけがなく、こいつは楽しげに指摘した。

「それはどうもご親切に。でも、お前顔真っ赤だけど」

ああ……誤魔化すのは無理だ。きっとこいつは私が認めるまで問い詰めるに違いない。

「ああ……もう、わかったわよ。認めればいいんでしょ、認めれば!」

逆ギレした私は勢いに任せて人生初の告白をした。

「私はあんたが好きよ!」

響人の目を見据え、喧嘩腰で想いを告げる。

可愛らしくなんて私には出来ない。
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