御曹司と溺甘ルームシェア
私の告白を聞いて大笑いするかと思ったのに、響人は急に真剣な表情になって私の耳元で囁いた。

「俺も」

セクシーな声が耳に響いてゾクッとしたかと思うと、響人の顔が迫ってきて私に口付ける。

すでに知っているその柔らかな感触。

お互いの想いが重なって……好きという気持ちが溢れて止まらない。

触れているとこんなにも心が満たされるのはなぜだろう。

目を閉じてキスに応えると、これまでのことが走馬灯のように頭を過った。

パーティでの屈辱のキス、突然の婚約、メール室での仕事、暴行事件、そして響人の告白……。

一ヶ月くらいしか時間が経っていないのに、もうずいぶんと時間が経った気がする。

キスが終わるとギュッと響人が抱き締めてきて、その甘いキスの余韻に浸った。

障害は何もない。でも……何か大事なこと忘れてない?
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