御曹司と溺甘ルームシェア
声を潜めれば、いくらでも冷泉の悪口言っていいのか?

そう鷹頼に突っ込みたくなったけどやめた。

これ以上、こいつとやり合ってイライラして痒みをぶり返したくない。

『あんた、戻っていいわよ。もう私は大丈夫だから。デカイあんたが一緒にいると落ち着いて休めない』

『……この自己中女。俺はお前の下僕じゃねえぞ。いつまでも今のままでいられると思うなよ』

鷹頼がハーッと長い溜め息をついてぼやいた。

『ふーん、私に逆らうんだ。じゃあ、あんたが美奈に片想いしてるって言っちゃおうかな?いい加減、告白して振られたら?あんたって図体デカイくせにヘタレよね。高校の時から好きだったくせに』

私が意地悪く告げると、鷹頼は顔を真っ赤にして怒った。

『うるせー。お前が行かず後家になっても、俺はお前の面倒なんかみねーからな』

『結構よ。お金さえあれば、自由に暮らせるもの』
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