御曹司と溺甘ルームシェア
言葉を濁して答えれば、ののちゃんは早速突っ込んできた。

「今度っていつ?明日?明後日?」

「え~と、それはね、ののちゃん……」

私が返答に困っていると、岡田が助け船を出してくれた。

「のの、寧々ちゃんにだって予定があるんだから無理言わない」

岡田がののちゃんを注意すると彼女はしゅんとなった。

「だって……翔君も明生君も男の子だし、ガールズトークしたかったんだもん」

ガールズトーク……ね。

果たして恋愛経験値の少ない私がお役に立てるかどうか怪しいけど……。

冷泉は私を見ながらニヤニヤ笑ってるし……。

自分がこんな体質でなければこいつを投げ飛ばしてやりたい。

二十分程車に乗っていると、おしゃれな低層マンションの前で車が停車した。

「ここが、冷泉の家?」

「そう。今日からは寧々の家でもあるけど」

冷泉は車を降りると、後部座席のドアを開けた。
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