御曹司と溺甘ルームシェア
「寧々ちゃん、また明日ね」

ののちゃんが私にぎゅっと抱きつく。

彼女の行動にドキッとした。

こんな風に人に抱きつかれるのなんて久しぶりだったから。

「ののちゃん?」

戸惑う私の顔をののちゃんが見上げる。

「明日、ののと一緒にお昼ご飯食べようね」

私に向けられる天使のような笑顔に思わず「うん」と頷く。

……あっ、しまった。約束させられた。

だが、訂正することなんて出来るわけがなくて、ののちゃんが私の返事に満足して私から離れると、私は落ち込んだ様子で車から降りる。

「ののちゃん、またね。岡田、三十分後に」

冷泉はののちゃんと岡田に声をかけると、私を連れてマンションに入る。

「お前もののちゃんには何も言えないんだな」

冷泉がフッと笑うと、私は冷泉に言い返した。
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