御曹司と溺甘ルームシェア
このマンションも自分の金で買ったのだろう。

玄関にはユニコーンが描かれた大きな絵が飾られていて目を引く。

幻想的で綺麗な絵。

こいつの趣味なのだろうか。

冷泉は玄関を上がると、廊下の突き当たりの部屋に私を案内する。

「ここが寧々の部屋。そこの段ボール、全部お前の荷物だから」

十畳くらいのフローリングの部屋には段ボールが山積みになっている。

私が梱包した覚えはない。

あの太っちょダヌキ、私が外出してる間に引越し業者呼んだな。

チッと舌打ちすると、すかさず冷泉に注意された。

「こら、お嬢様がはしたないぞ」

「あんたの前で上品にしてたって意味ないじゃない。それより、私の寝室はどこ?」

私の質問に冷泉がニコリと笑って答えた。

「ここ」
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