御曹司と溺甘ルームシェア
そう、今の俺には片付けなければならない問題がある。

親父は婿養子で、会長に認めてもらうために強いパイプを欲しがっている。会社の利益を考えるなら、野々宮家具の娘より、佐々木コーポレーションの娘の方が取引先だし、いろいろと役に立つだろう。

だが、寧々を手に入れるためなら、親父にだって逆らう。

結婚なんてどうでもいいと考えていたが、やはり誰でもいいというわけではない。

自分の女くらい自分で選ぶ。

「だから、親父が海外出張中に動いたんだ」

「社長が戻ったらもめるだろうね」

「受けて立つさ」

俺が挑戦的な笑みを浮かべると、成介は優しい目で微笑む。

「俺は響人を応援するよ。好きな女の子と一緒の方が幸せになれると思うしね」

え?

成介が俺の目を見てニコッと笑うが、俺はこいつの落とした爆弾に言葉を失った。
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