御曹司と溺甘ルームシェア

「あれっ？自覚してない？響人はいつだって寧々ちゃんの事目で追ってたし、寧々ちゃんにだけじゃないか、意地悪するの」

信号が青に変わると、成介は車を発進させながら意外そうな顔をしながらも面白そうに笑った。

「寧々にだけ意地悪……か」

寧々が気になるのはあの事件のせいだ……と思っていたが、客観的に自分の過去の行動を分析すると、成介の言う通りだと思う。

それに気づいてなかった俺って結構バカだな。

素直に気持ちを認めれば、心の中がすっきりして……。

いろいろ理由をつけて寧々を手に入れたが、好きだから側においておきたかったのか。

「ああ。そうだな、寧々が好きだ」

寧々の怒ってる顔を思い浮かべながらフッと微笑し、それからは成介と仕事の話をしていると、自宅マンションの前に着いた。

「じゃあ、また明日」

車を降りると、成介に軽く手を振りマンションに入る。