御曹司と溺甘ルームシェア
ひょっとして冷泉がソファーに寝かせた?

この毛布は……冷泉が?

考えると益々頭痛が酷くなる。

「ううっ……頭痛い。それに……気持ち悪い」

「寝ぼけてるのはわかるが、例え弟だろうが鷹頼と間違えられるのはいい気がしないな」

頭を押さえながらチラリと冷泉に目をやると、奴はニコッと微笑している。でも、目は笑ってない。

鷹頼と間違えた位で怒るな!

勝手な言い分にカチンとなる。

「あ~グダグダ煩い。あっちへ行きなさいよ!」

顔をしかめ手で冷泉をシッシッと振り払う仕草をするが、こいつは動かず腕を組んでじっと私を見据えた。

「あと二十分でここを出る。早く準備をしろ」

冗談でしょう?

こんなに頭痛いのに準備なんか出来るわけない。

「無理。頭痛い」
< 91 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop