御曹司と溺甘ルームシェア
「どうした?顔が青いが」

私の顔を見て冷泉がニヤリとする。

「頭が痛いのよ。薬ちょーだい」

「世話の焼ける奴。二日酔い位で会社休むなよ。俺は鷹頼とは違うからな」

ハーッとわざと溜め息をつくと、冷泉は薬と水を持ってきてソファーの前のテーブルに置いた。

「ほら、飲めよ。あと十五分だぞ」

冷泉が自分がしている腕時計をトントンと叩く。

「頭痛いのよ。行かないから」

突っぱねるように言って、薬を飲んでまたソファーに横になると、そんな私の様子を見ながら冷泉がニヤリと笑った。

「ののちゃん、待ってるんじゃないか?」

あっ……ののちゃん……忘れてた。

私が休んだら、ののちゃん泣くかな?

それは……私が泣かしたようでいい気がしない。

……冷泉め、嫌な奴。
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