クールな社長の甘く危険な独占愛

さつきの目が、衝撃でチカチカする。気づくと廊下のコンクリートに倒れていた。目を上げると、階段の方へと消えていく男の背中。

さつきの胸は恐怖でギューっと痛み、声を出そうとしても出ない。

どうしよう。
どうしよう。
どうしよう。

さつきは社長の部屋の扉を見上げた。

すると扉が開き、驚いた社長の顔が見えた。

「どうした!?」
社長が走り寄り、さつきを助け起こす。

「男の人が、部屋に」
「え?」

社長の顔色が変わる。

「私を突き飛ばして、逃げて……いきました」
かすれる声でそう言う。

和茂はさつきの肩をぐっと抱き寄せて、ポケットから携帯を取り出す。

頭上で警察に電話している社長の低い声。心なしか怒りが混じっているように思う。
白いワイシャツの胸に頬を寄せていると、自然と落ち着いてきた。

そばにいてくれてよかった。

さつきがシャツの袖をぎゅっと掴むと、和茂があやすように抱きしめた。

本当に、そばにいてくれて、よかった。

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