クールな社長の甘く危険な独占愛
キス、そして
一
さあそして、今どんな状況になってるの?
恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら、社長に引っ張られるようにマンションへ帰ってきた。
さつきは顔をあげ周りを見回す。社長の部屋のソファに座ると、ずぶ濡れの社長が柔らかいタオルを投げてよこした。
「拭いとけ」
さつきはタオルに顔をつけ、大きく深呼吸した。
とりあえず、昌隆くんとの結婚はなしになって、それで……。
ちらっと目をあげると、キッチンのカウンターに肘をついて、こちらをじっと見ている。社長は濡れたパーカーを脱いだが、下のシャツまで濡れていて素肌が透けていた。綺麗な首筋に濡れた黒髪が張り付く。
さつきは慌てて目を逸らした。うつむきながら濡れた髪をタオルで拭く。
「シャワー浴びた方がいいか」
しゃわー?
「いっ、いいです。大丈夫です」
「遠慮するな、寒いだろ」
社長が会社モードの声音なので、さつきはこれ以上拒否することができない。
「それよりもまず、濡れた服を脱ぐか」
ぬぐ?!
「かっ、帰りますからっ」
さつきは勢いよく立ち上がると、突然体がふわんと浮き上がった。
真っ白な天井が視界に入る。
それから、社長の顔が見えた。ニヤリと笑う。
そのままベッドの上にポンと放り投げられた。