クールな社長の甘く危険な独占愛
ベッドの上で体が弾む。ウッドブラインドがカランと軽い音を立てた。
「何、逃げてんの?」
社長がさつきを見下ろしながら言った。
「だって……」
さつきは混乱してきた。これは、どういうことなんだろう。
起き上がろうとするさつきの肩を、社長が抑え込む。細いのにすごい力だ。
「もう我慢しなくてもいいんだな」
社長が唇を寄せてくる。
「あ、ちょっと!」
さつきはバタバタともがいたが、呆気無く唇を塞がれた。
長くて甘いキス。
この人、こんな風にキスするんだ……。
さつきはつい、その柔かな感触に流されそうになった。抵抗が緩むと、社長がさつきのブラウスをたくし上げる。冷えた体に熱い手のひらが当たり、さつきははっと我に返った。
「まって、社長!」
さつきは思い切り社長を突き飛ばした。
「……なんだよ」
社長が呆れたような声を出した。
「わたし、あの……」
さつきは乱れたブラウスを引っ張ってなおす。
「あの、社長はわたしと、その……付き合いたいって、そういうことなんですか?」
さつきは思い切って尋ねた。
「あ?」
社長が首をかしげる。
「社長のお気持ちは嬉しくて、でも、社長のことを好きなのかって言われたら、よくわかんないっていうか」