クールな社長の甘く危険な独占愛
頭がおかしくなりそう。
今日はずっと、社長のキスのことばかり考えていた。
「キスでわたしを堕とすって、本気なんだわ」
さつきはデスクで頬を押さえる。
あのキスでどれだけの女性を堕としてきたのかしら。
自分に自信があるっていうのが、いまいましい。
いいように翻弄されている自分にもイライラする。
あんな風にされたら、抵抗なんかできるわけがない。
堕ちるのも時間の問題……?
いや、ダメだって。そんな流されちゃ。
だって、社長は、まだゲームを続行してるだけなんだもの。
わたしを好きだって言ったのも……まるごと信じることなんてできない。
あんなに女慣れして、チャらくて、遊び人で……。
わたしが珍しい女だったっててだけ、きっと。
さつきはバクバクし通しの胸を押さえる。
わたしのこの気持ちも、ちょっと夢見心地ってだけで、憧れで……。
真剣に考えちゃだめなんだから。
「長尾さん、熱が上がってきたんじゃないですか? 顔がずっと真っ赤ですけど」
リカがいうので、「そうかも」とごまかした。
自分でもよくわかってる。
今日のわたしの顔は真っ赤だ。