クールな社長の甘く危険な独占愛
一緒に暮らす?
さつきが隣を見上げると、冗談を言っている顔ではなかった。
「一緒にって。社長がここに住むんですか?」
「俺の部屋だし」
「じゃあ、わたしは?」
「だから、ここで俺と住む」
さつきがぽかんとしている間に、社長はジャケットを脱ぎネクタイを緩める。シャツを腕まくりして、窓を開けた。夜の風がふわーっと部屋を満たす。
「俺の部屋は右。さつきは左。一緒に寝るなら、ベッドを買おう」
風で社長のシャツが膨らむ。前髪が持ち上がる。
さつきは予想外の展開に、立ち尽くした。
この部屋で、社長と同居?
「こんな素敵なお部屋に住んでもいいなんて、本当にありがたい申し出なんですが、一緒に暮らすっていうのは」
「いや?」
「いやっていうか、あの……」
付き合ってもいない男女が、一緒に暮らすだなんて、それはあまりにも『わたしの身が危険』。
社長がさっと手を伸ばして、さつきの腰を引き寄せた。表情を伺うように顔を近づける。
「ここは、カードキーのない奴は絶対に入れない。もう怖い思いをしなくて住む。それに」
額に唇をつけると、暖かな呼気を感じる。さつきの身体がゾクッと震えた。
「キスしたいって思った時、すぐにできる。ほら今も」
さつきの身体が持ち上がるぐらい、抱き寄せる。
「したくてたまらない」
社長が唇を寄せた。