クールな社長の甘く危険な独占愛
「きゃあ」
社長の素肌が目に飛び込んできた。
「お前もシャワーを浴びれば」
リビングの真ん中で、ペットボトルの水を飲んでいる。グレーのジャージに上半身裸。湿った黒髪。首からバスタオルをかけている。
「服着てくださいっ」
さつきは思わず大きな声で叫んだ。
「着てるだろ。一応気を使ってんだ」
「上も着てくださいっ」
「暑いから、やだよ」
社長がまじまじとさつきを見る。それから「出てくのか?」と尋ねた。
さつきは社長の上半身を見ないよう、視線を天井に向けながら「はい」と答えた。
「なんで」
「部屋に鍵がかかりません」
「別にいいだろ」
「よくないです。プライバシーが……」
社長が笑う声が聞こえた。
「笑い事じゃなくてっ」
「いや、寝込みを襲うことはしないから、安心しろよ」
さつきは思い切って社長に目を向ける。
「信じられないです」
社長は肩をすくめる。
「約束するよ。ソウイウコトする時は、合意がないと気持ちよくないから」
さつきの顔に血がのぼった。
「だいたい、ここを出てどうするんだ? ホテルに連泊ってわけにもいかないだろう?」
さつきは俯く。確かにどこに行ったらいいかわからない。
「お前が『うん』と言わなきゃ、手は出さない。大丈夫だよ」
いつのまにか社長が側にいて、さつきの頭を撫でる。
「心配させないでくれ。もうあんな風に怖い思いをするのは嫌だろう? ここにいれば絶対に大丈夫だから」
「……はい」
さつきは思わず頷いた。社長が本当に心配してくれているのが、なんとなくわかった。
「シャワー浴びてこいよ。明日も仕事だから」
「はい」